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中小企業のパワハラ防止法の義務化について

組織

2022年4月1日から中小企業でも「パワハラ防止法」が義務化されました。

(大企業は2020年6月1日施行)

*「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」という法律の通称を「パワハラ防止法」といいます。

1.職場におけるパワハラとは、どのような行為をいうのでしょうか?

厚生労働省において、下記の①~③全てを満たすものと定義されています。

  • 優越的な関係を背景とした言動
  • 業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
  • 労働者の就業環境が害されるもの

※客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導は該当しません。

2.どのような行為が具体的にパワハラに該当するのでしょうか?

厚生労働省において、下記の6類型に分類しています。

・身体的な攻撃(暴行、傷害行為など)

・精神的な攻撃(脅迫、名誉棄損、暴言など)

・人間関係からの切り離し(無視、仲間外しなど)

・業務上の過大な要求(私的な雑用を強制するなど)

・業務上の過小な要求(仕事を与えないなど)

・個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

では、実際に職場では上記6類型の中でどのパワハラ行為が多いのかを見てみましょう。

令和2年度厚生労働省委託事業「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」によると、精神的な攻撃74.50%、続いて人間関係からの切り離し20.60%となっています。これは、言葉だけでなく威圧的な態度(椅子を蹴るなど)で相手にダメージを与える行為も該当するので精神的な攻撃が大半を占める理由だと思います。

 精神的な攻撃の具体的な行為とは、

・人格否定をするような発言をする

・業務に関して必要以上に長期間にわたり厳しい叱責をする

・他の労働者の前で、大声で威圧的な叱責を繰り返す

・罵倒するようなメール等を他の労働者に送信する

・十分な指導、教育をせずに放置する

【引用元】令和2年度厚生労働省委託事業「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」

上記のようなパワハラ行為が発生する職場では、労働意欲の低下やメンタルヘルス不調などの問題が起こります。生産性の低下などの会社内部だけの問題ではなく、会社のイメージダウンなどの社会的信用にもつながりかねません。このような事態を防ぐためにも、ハラスメント対策を講じる必要があります。

3.パワハラを防止するために職場では実務上どのような対策を講ずればよいのでしょうか

  • 就業規則等の文書にパワハラの禁止や処分に関する規定を作る
  • パワハラの内容を社内報、HP、パンフレットなどで周知し、研修を行う
  • 労働者が相談できる相談窓口の設置
  • 職場の実態の把握
  • 再発防止対策を構築する
  • 相談者・行為者等のプライバシー保護

などです。

4.罰則規定は?

現時点では罰則規定はありませんが、改善がみられない場合は厚生労働大臣による助言、指導または勧告が入り、勧告に従わない場合は、企業名を公表される可能性があります。

5.まとめ

昨今、テレワークなどの働き方の見直しが行われ、職場で働く人々の環境は変化のときにきています。パワハラの場所についても、職場だけではなく、テレワークの場所、社員寮、出張先、勤務時間外の懇親会や取引先との打ち合わせ、通勤中などの業務の延長線上にある場所も含まれます。

時代の変化が著しい今、今後自分の言動により、いつどこでパワハラの加害者にも被害者にもなる可能性があります。時流を見極める眼を持ち、職場のコミュニケーションを活発に行い風通しの良い環境づくりをしてパワハラ防止に努めたいですね。

税理士・産業カウンセラー 目見田麻子

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